テーブルの形をした現代アート
ソファの前に置くセンターテーブル。ソファを選んだあとにとても悩むアイテムです。何が合うのか、合わないのか分からないという話はよく聞きます。
このジャンルのテーブルはこれが定番というような家具がないのが選択を難しくしています。そんな数少ないセンターテーブルの定番の一つが「コーヒーテーブル」と呼ばれるイサムノグチのテーブルです。
二つの部品が互い違いに組み合わさってガラスの天板を支えるという単純な構造ですが、有機的なフォルムが印象的で部屋の中に彫刻作品を飾っているような存在感があります。作者や、家具そのものについては様々なところで解説されていますので、ここではどのようなシーン、どのような組み合わせで置くといいのかを中心に見ていきます。
inspiration
センターテーブルといえば、四隅に脚があって、天板が四角くてというイメージですが、リビングの真ん中に角のない柔らかく有機的なフォルムのテーブルが来るととても目を引きます。
スクエアなもので家具をまとめてしまうと単調な印象を受けてしまうことがあります。どこかに特徴を持たせることは見どころのあるインテリアのためには重要なポイントです。楕円形のテーブル天板と、丸いガラスの照明を中心に置いてスクエアでモノトーンな印象の部屋にアクセントを付け加えることに成功しています。
シンプルな場所でこそ存在感が際立ちます。スッキリとまとまった部屋で、何か物足りないと思った時に選ぶと効果的です。
ここで注目したいのがソファとの大きさのバランスですが、ちょっと小さいかなと思うくらいがバランスが良く見えます。センターテーブルがあまり大きいと圧迫感を感じてしまいます。また、角が取れて丸い形状の方が周りの空間を広く見せることができます。
モダンで直線的な形のソファにアクセントをつけるような使い方が似合うと思います。ソファとは対比の関係になりやすいので、例えばソファの脚がメタルのものであっても対比として気にすることはありませんが、その代わりにサイドテーブルなど他の周辺の家具と木目の色を揃えてあげるとまとまりやすいかと思います。
単体で使っても十分な存在感ですがソファが大きめの場合は他のテーブルと合わせて並べるのも面白いです。テーブル同士で対比の関係を作るために石のキューブ状のテーブルとの組み合わせをしています。形と重量感の対比がいいですね。色彩的にはモノトーンで全体のカラーリングに合わせられていてカラー的にも対比の関係が作られていてまとまりがいいです。
こういう毛皮のラグをうまく使える人は少ないですがこのテーブルにはよく似合います。ちょっとしたラフさ、ワイルドさをしっかり押さえる役割をノグチテーブルは上手く果たしていると思います。ガラスの天板が以外としっかり厚みがあって高級感があるのでカジュアルっぽいスタイリングでも安っぽく見えないのがいいところです。
白を基調にまとめられたリビングのアクセントに素晴らしい存在感のノグチテーブルです。ソファのセンターからオフセットして配置しているのも技ありです。テーブル一つでこれだけ目線を引きつけることができるアイテムというのはなかなかありません。
これはソファとの組み合わせではないですが、デザインされた年代が近いだけあって、イームズのチェアなどとの相性は抜群です。バランスとしてはちょっとテーブルが大きいですがサイドテーブル的に使うのもいいのですね。有名家具同士の組み合わせなので、モノトーンで色数を抑えて全体のカラーに溶け込むように置くのもおしゃれに見えるテクニックだと思います。
ガラス天板は上から見た時の圧迫感が少ないので小さめの空間でも使いやすいです。天板が透明ガラスなので床面が見えて通路など空きスペースが広く見えます。また、上から見ても彫刻のような脚のデザインがよく見えて部屋の形状的なアクセントとしてもうまく機能しています。
ただ置くだけで美しい
美術館に置いてあっても違和感がないくらいアート的なフォルムを持ったテーブルです。リビングの主役を十分果たすことができるだけのスタイルを持ち合わせています。これを置くのであればソファはあまり主張しすぎないシンプルな形のものが良いでしょう。脚のカラーはいくつか種類がありますが床の色に合わせるか、ダークカラーを選んで黒っぽいものをいくつか合わせるのがいいと思います。
また、ガラス天板は浮遊感があって良いのですが、なにも置いていないと寂しく見えるのでなにかデコレーションを置いた方がいいでしょう。
現在、このテーブルはヴィトラでリプロダクトされているのものが正規品ライセンス品となっています。
→ vitraのプロダクトページ