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床に本を置く

本を床に置く、つまり床に直接ものを置くというのは、インテリアデザインの考え方ではご法度というか、プロとして提案する内容ではないですが、スタイルによってはあえて床にものを置くというのはアリです。しかるべきところに物をきちんと置くという考え方は堅苦しいという見方もできます。
住まいは個人のスペースですから自由に使えばいいのです。読みかけの本や溜まっていく雑誌などを床に置いてしかも飾るという方法を見てみます。

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ひとり暮らしのインテリア的な適度なごちゃごちゃ感があって面白いです。これが全体としてはまとまって見えるのはモノトーンで統一されているからかもしれません。生活感がありながらスタイリッシュでもあります。
ごちゃごちゃ置くけれど、代わりに色は揃えるというというルールが徹底されているスタイルです。


本をまとめて床に積む。あちこちに散らばっているよりはまとめて積んでしまった方がいいでしょう。それもやるならある程度量を積んでしまった方がいいです。量がまとまるとそこに意味が生まれてきます。


いつか片付けるかもしれないけど、とりあえず積んでおく、というくらいの気軽な気持ちでいいのです。そういうラフさがスタイルを作っていきます。きちんとしすぎないというのも一つのスタイルです。


サイドテーブル代わりにソファの脇に置きます。意図しないようでこれは計算されています。大きさを揃えてピラミッド状になるように積んでありますね。
これは上にものを置いた方がいいです。テーブルとして使っているという形にしておいた方が意図がハッキリします。


この壁際は本を置く場所と決めます。そういうつもりで絵を飾り、本を積み、上にもデコレーションとしてモノを置きます。本の高さに合わせて絵の下端を揃えています。ここはもう床置きの本ありきのスペースなのです。


額縁も照明も床に置いてしまう。というシーンです。
壁には何も飾っていませんが、その代わりにコーナーに本がうず高く積み上げられています。
壁に何も飾らない殺風景なくらいのシンプルさと、床から本を積み上げてしまうというラフさがこの部屋のスタイルになっています。


絵の下に本を積み上げます。壁掛けの絵と位置が合わさることでここはデコレーションのスペースなのだとわかります。無造作に置いているようですがここははじめから飾る場所として設定されているのです。本を大事にする人には考えられないかもしれないですが、植木鉢の置き台になっています。


ちょっとしたコーナーを飾り場所に活用します。シェルチェアの色に合わせてさりげなく本の背表紙にピンクが集められています。無造作に置いているようでその辺はちゃんと計算されています。もちろん本は読むためのものですが、知性を象徴するインテリアのアクセサリーとしての使い方もあります。


窓のところのくぼみに積んでおく本たち。断面の色はちょっと灼けた紙の色で揃うのでナチュラルカラーで白い壁にはよく似合います。高さがまちまちなのがリズム感があっていいですね。バランスを見て高さが揃いすぎないように並べた方が格好いいです。


コンソールの下も何も置かないとがらんとしてしまいますので何か飾っておきたいところです。ということで本を積みます。
ここに積まれた本はカラー別に分類されて綺麗に並べられています。コンソールの上のアートの色合いをうまく反映してまとめられていますね。無造作に置いたのではなく、ここに飾るために集められて積まれた本たちです。

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綺麗に揃えるだけがインテリアのスタイルではないということは、意外と見過ごされています。無造作なようでおしゃれ。こういうスタイルは暮らしの中でちょっとずつ作っていく類のものだと思います。気を使っていないようで、ちょっとは考えているというくらいのスタンスでいる方が格好いいですね。
読み終わったら本棚にしまっておくだけが本の使い道ではないのです。本を床に置いてディスプレイのアイテムとして活用するなど、本を飾る方法というのは色々あります。